『グラファロ(The Gruffalo)』という絵本をご存知ですか?
『グラファロ(The Gruffalo)』は、イギリスで最も愛されている絵本の一つで、今ではイギリスを代表する現代の名作となっています。
「どんなお話?」「少し怖そうだけど大丈夫?」「なぜこんなに人気?」「英語学習にも向いている?」
そんな疑問をお持ちの保護者の方のために、『グラファロ』の魅力を詳しくご紹介します。
『グラファロ(The Gruffalo)』とは?
『グラファロ(The Gruffalo)』は、ジュリア・ドナルドソン(Julia Donaldson)が文を、アクセル・シェフラー(Axel Scheffler)がイラストを手がけた絵本です。1999年の出版以来、世界中で数百万部を売り上げ、100以上の言語に翻訳されています。
また、アカデミー賞にノミネートされたアニメーション映画をはじめ、舞台化や続編『グラファロのこども(The Gruffalo’s Child)』なども制作され、世界中の子どもたちに親しまれています。
現代の作品でありながら、動物たちが話し、知恵を使って困難を乗り越えるという、昔話や民話のような魅力を持っているのも、この作品の大きな特徴です。
『グラファロ(The Gruffalo)』を生み出したジュリア・ドナルドソン(Julia Donaldson)について詳しくはこちら▼

『グラファロ(The Gruffalo)』ってどんなお話?
物語は、小さなネズミが森を歩いているところから始まります。
森の中で、キツネ、フクロウ、ヘビが次々とネズミを食事に誘います。一見親切そうですが、実はみんなネズミを食べようとしているのです。
そこでネズミは、とっさに「(The Gruffalo)」という恐ろしい怪物を作り話として思いつきます。
グラファロには大きな牙や鋭い爪があり、とても恐ろしい見た目をしています。そしてネズミは、「これからグラファロとお昼ご飯を食べる約束なんだ」と話します。
その話を聞いたキツネも、フクロウも、ヘビも、恐ろしい怪物には会いたくないと思い、慌てて逃げ出してしまいます。
「もちろん、そんな怪物はいない。」
ネズミは自分の機転に満足します。
ところが——。
物語はここで思いがけない展開を迎えます。
なんと、ネズミが作り話で生み出したはずのグラファロが、本当に現れたのです。そして、その姿はネズミが説明したとおり。
さて、小さなネズミは、この本物のグラファロを相手に、どうやって切り抜けるのでしょうか。
結末はぜひ絵本で楽しんでいただきたいのですが、この物語は「小さくても知恵があれば困難を乗り越えられる」ということを、ユーモアたっぷりに描いています。
『グラファロ(The Gruffalo)』は、なぜ子どもたちに人気なの?
『グラファロ』が長年愛されている理由はいくつもあります。
まず魅力的なのが、声に出して読む楽しさです。
文章は心地よい韻(ライム)で書かれており、リズムよく読み進められるため、読み聞かせにぴったりです。
また、同じようなやり取りが繰り返される構成になっているため、子どもは次に何が起こるのかを予想しながら楽しめます。何度か読むうちに、お気に入りのフレーズを一緒に口にする子も少なくありません。
そして何より、小さなネズミが力ではなく知恵で次々と危機を乗り越えていく姿は、子どもたちにとってとても魅力的です。自然と「がんばれ!」と応援したくなる主人公なのです。
『グラファロ(The Gruffalo)』は怖くない?
私自身も、初めて絵を見たときは「少し怖いお話なのかな?」という印象を持ちました。
グラファロには角や牙、鋭い爪、大きな歯があり、一見すると恐ろしい怪物のように見えます。
しかし、アクセル・シェフラーのイラストはどこかユーモラスで親しみやすく、グラファロは単なる怖い怪物ではなく、どこか愛嬌のある魅力的なキャラクターとして描かれています。
そして、物語を読み進めていくと、見た目から想像するような怖いお話ではなく、知恵とユーモアにあふれた楽しい冒険のお話であることがわかります。
この絵本から学べること
『グラファロ』は、教訓を押し付ける作品ではありません。
それでも読み終えたあとには、自然とさまざまなことを考えさせてくれます。
- 知恵は力に勝ることがある
- 落ち着いて考えることの大切さ
- 勇気とは力の強さだけではないこと
- 想像力や発想が困難を乗り越える助けになること
『グラファロ(The Gruffalo)』はおうち英語にも向いている?
『グラファロ(The Gruffalo)』は、まず何よりもストーリーそのものが面白い絵本です。
そのうえで、英語を学ぶお子さんにも適しています。
文章には美しい韻と繰り返しの表現が多く使われているため、自然と英語のリズムに親しめます。また、イラストが豊かなので、知らない単語があっても内容を理解しやすいのも魅力です。
子どもが「もう一回読んで」と繰り返し読みたくなることも、この絵本が英語学習に向いている理由の一つです。
主な受賞歴
『グラファロ』は出版以来、数多くの賞を受賞しています。
- ネスレ・スマーティーズ賞(金賞)(1999年)
- ブルー・ピーター賞「読み聞かせに最適な絵本賞」(2000年)
- Experian Big Three Award(2001年)
- 朗読版オーディオブックは、イメルダ・スタウントンの朗読によりSpoken Book Award(最優秀児童向けオーディオ賞)を受賞(2002年)
また、イギリスでは「子どもに読み聞かせたい絵本」「お気に入りの寝る前の絵本」などの人気投票でもたびたび上位に選ばれており、世代を超えて読み継がれている作品です。
『グラファロ(The Gruffalo)』の誕生秘話
『グラファロ(The Gruffalo)』はオリジナル作品ですが、作者のジュリア・ドナルドソンは、中国の古典「虎の威を借る狐」から着想を得たことを明かしています。
「虎の威を借る狐」では、キツネがトラをだまして後ろを歩かせ、逃げていく動物たちを見たトラが「みんなキツネを恐れている」と勘違いします。実際には、動物たちはトラから逃げていただけでした。
ジュリア・ドナルドソンは、この「弱い者が知恵を使って強い者を出し抜く」という発想をもとに、新たにネズミとグラファロというキャラクターを生み出しました。
何歳くらいの子どもにおすすめ?
読み聞かせの場合は、3〜7歳頃のお子さんに特におすすめです。読み聞かせ時間は約10分ほどなので、時間に少し余裕のある日の寝る前の絵本としても取り入れやすい長さです。
小学生になると、英語を学び始めたお子さんでも、自分で読んで楽しめるようになるかもしれません。リズミカルな文章や繰り返しの表現が多いため、音読の練習にも向いていると思います。
寝る前の読み聞かせはもちろん、ご家庭で英語に親しむ時間にもおすすめの一冊です。
アニメーション版(日本語)も楽しめる
『グラファロ』は絵本だけでなく、短編アニメーション作品としても親しまれています。
私はまだ観たことがありませんが、Amazon Prime Videoではアニメーション版を視聴できるようです。ただし、日本で配信されている作品は日本語吹き替え版のみとなっています。
絵本を読んだ後に、もう一度物語の世界を楽しむ方法の一つとして、親子でアニメーション版を観てみるのもよさそうです。
さいごに
出版から25年以上が経った今も、『グラファロ(The Gruffalo)』は世界中の子どもたちに読み継がれています。
思わず口ずさみたくなるリズミカルな文章、予想外の展開、そして小さな主人公が知恵を武器に活躍する物語は、何度読んでも新しい発見があります。
親子で一緒に楽しめる英語絵本を探しているなら、『グラファロ(The Gruffalo)』はぜひおすすめの一冊です。
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